ネイティブアメリカンの思想や美術品には昔から興味を持っていた。ある時、「インディアンは、彼らのアートを美や芸術のために創造したのではなかった。[芸術]という観念を持たず、アートと生活、美しいものと機能的なものを区別した考え方を彼らはもともと持っていなかったのである。」という文章を読んだ。この考え方は私たちのものづくりの考え方にとても近いと感じたので、自分たちのつくっていく服の名前を[Two Moon]とつけた。シャイアン族の酋長の名前だ。
類人猿が直立して歩き始めたその昔からヒトの形は変わっていない。現代ではその形の変わらないものに対して毎日新しいデザインが生み出され、それをファッションと呼んでいる。私たちはファッションではなく、毎日を生きていくための「着る道具」をつくりたいと思った。
そこには虚飾やエゴはなく、生活の中に必要な「ハレとケ」それぞれの服ができた。[Two Moon]の名に恥じないものができたと思っている。

ものをつくっていく上で考えなければならないのは素材と製法だ。私たちはつくるものの性格とそれぞれの素材の良点、悪点をよく理解した上で、その目的にもっとも合った素材を使用している。目的のための手間は惜しまず、都合だけが理由の手段は選ばない。そんな制作の段階に次々と出てくる「選択」はいつも同じではなく、時たま勇気のいる決断になることもある。そんなときには原点に返り、藁には藁の、木には木の、煉瓦には煉瓦の、それぞれの良さはなんだ?と自問する。
私たちはこの決断を鈍らせないよう、広い視野で古今東西に関わらず素材や製法、はたまた事象までもを見渡し、一点を見いだせる姿勢を保つ。

TWO MOON

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